診療科・部門

周産母子センター

当センターについて

 日本の周産期医療は、高齢出産・早産・低出生体重児の増加という背景もありハイリスク妊娠3が増加しています。一方で、母体死亡・新生児死亡は大きく減少させています。約半数の分娩が診療所・助産所で対応されますが、高度な医療が必要になった際に、地域の先生方と私達周産母子センターが密に連携することが予後改善に寄与していると考えます。
 当センターは地域の中核病院として、正常分娩だけでなく、リスクの高い妊娠・分娩・出生後の管理を、母児ともに産婦人科・手術室・NICU(新生児特定集中治療室)でチームとなり集学的に行っています。地域の産院で出産後、治療が必要と判断された新生児の搬送も受けいれ、生後の適応過程から、退院に向けての指導、退院後の育児に連続したケアができるよう、多職種で協力・連携したチーム医療を行っています。
 入院症例の増加に合わせて、20185月の新病院開設時にNICU6床、20209月に9床(12床で届け出スタッフ配置の都合9床で運用)としました。20245月に三重県から「地域周産期母子医療センター注4」に指定され、急性期だけではなく、退院後も継続加療が必要な先天性疾患を持つお子さんの対応も増えています。20257月にGCU(新生児回復治療室5)を開設するにあたり、NICU6床・GCU6床の合計12床に拡充しました。理学療法部・小児病棟・小児科外来とも協働し地域の母子保健との連携や医療的ケア児の在宅療養支援の発信源として機能を充実させていきます。今後も地域の周産期医療のニーズに合わせ、当センターが中心的役割を担えるよう努めてまいります。

1)偶発的自宅分娩も含む。
2)経鼻持続陽圧換気、高流量酸素療法は含まない。
3)胎児発育遅延(同じ妊娠週数の胎児の平均体重に比べてとても小さい事)、多胎妊娠(双子以上の妊娠)、早産(37週未満の出産)、前置胎盤、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、糖尿病、甲状腺疾患・自己免疫疾患・腎疾患・てんかんなどの合併妊娠、など。
注4)産科及び小児科(新生児診療を担当するもの)等を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設のこと。

三重県のWEBサイト→三重県|地域医療:地域周産期母子医療センターの認定について (mie.lg.jp)

5NICUで状態が安定し退院に向けて育児環境の提供や育児指導を行う病棟。授乳・育児や医療的ケアなどご家族が自宅で育児を進めていけるように、看護・多職種スタッフで協力して指導いたします。