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医師コラム vol.2

~脱水とエコノミークラス症候群~

 

 

桑名東医療センター
肺循環器外来(非常勤)
山田 典一医師

 

 

 
 4月16日に起こった熊本地震では、被災者の多くにエコノミークラス症候群が生じされたことが報道されました。
本来、エコノミークラス症候群とは、長時間の飛行機旅行の際にできる下肢の静脈の血栓と、その血栓がはがれて流れて肺の血管を閉塞することで生じる肺塞栓症(はいそくせんしょう)をさします。重症化すると死に至る場合もあります。
 災害時の避難所・車中泊や長時間の飛行機旅行のいずれでもそうですが、限られたスペースで歩行・体動が制限されることに加え、十分な水分補給ができないなどにより脱水をきたし、静脈に血栓が生じやすくなると考えられています。特に汗をかきやすい夏にはしっかり水分を摂取しないと熱中症だけでなく、血栓リスクも高まりますのでご注意ください。急に片脚が腫れて痛みがある場合には静脈血栓のせいかもしれません。放っておくとはがれて心臓や肺血管に流れて重症化するかもしれませんので、早めに受診してください。

 

 

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